野菜をまったく食べない我が子に、青汁やサプリメントを飲ませてもいいのだろうか。
食事相談でよく受ける質問です。
管理栄養士の中村早苗です。
病院の栄養管理室と社員食堂の献立設計を経て、いまは食事相談を仕事にしています。
先にお伝えすると、私は「絶対に飲ませてはいけません」という立場ではありません。
ただ、判断する順番だけは間違えないでほしいと思っています。
まず、国は「必要ない」と言っています
消費者庁の健康食品Q&Aには、バランスよく食事が取れる子供には普段の食事から十分な栄養素が取れており、健康食品は必要ありません、と書かれています。
同じページには、ある1日で偏りがあっても、習慣的(1か月間程度)な食事でバランスがとれていれば必要な栄養素は取れている、という補足もあります。
昨日の夕飯に野菜がなかったことを、そこまで重く受け止めなくていいということです。
面談でも、1週間分の献立を書き出してもらうと「思ったより足りていました」となる家庭は少なくありません。
ここを確認したうえで、それでも足りない場合に次の基準が出てきます。
判断基準1:目安量は大人向けに書かれている
「1日1〜2包」といった目安量は、原則として健康な成人を想定した数字です。
子ども用に計算し直したものではありません。
機能性表示食品は、消費者庁の届出等に関する手引きで、疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦および授乳婦を除く)を対象とする食品と定義されています。
パッケージに書かれた機能性は、子どもで確かめられたものではないのです。
では大人の半分なら安全か、というと、そこも簡単には言えません。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)の小児の項には、耐容上限量は情報が乏しく算定できないものが多かった、しかしこれは多量に摂取しても健康障害が生じないことを保証するものではない、と明記されています。
上限が書かれていないのは、安全だからではありません。
調べきれていないから書けていない、というだけです。
判断基準2:原材料表示の長さを見る
同じ「青汁」でも中身は違います。
見比べるなら、原材料名の欄がいちばん正直です。
| 表示のタイプ | 原材料名の例 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 素材そのままの粉末 | 大麦若葉粉末(九州産) | 原材料が1種類のみ。香料・着色料の記載なし |
| 味を整えたタイプ | 大麦若葉粉末、砂糖、果糖、果汁粉末/増粘剤、香料 | 糖類と添加物が加わる。アレルギー物質の表示も増える |
子どもが抵抗なく飲むのは後者です。
それでも毎日続けるものなら、原材料名が短いほうを私はすすめます。
判断基準3:メーカーが「すすめない相手」を書いているか
最後は、商品よりメーカーの姿勢を見ます。
確認したいのは次の項目です。
- 何歳から飲めるのか、乳児について書かれているか
- 粉末を直接口に入れない、といった安全上の注意があるか
- 薬を飲んでいる場合や妊娠中の案内があるか
- 機能性表示食品を子どもにすすめていないか
たとえば、大麦若葉の青汁を手がける日本薬健の公式サイトでは、1歳未満の乳児は控えること、幼児は大人と同じ食事を食べられるようになってからにすること、粉末はのどに詰まる恐れがあるので必ず水などに溶かすことが、商品ページとFAQに書かれています。
さらに、機能性表示食品は成人を対象に開発した商品のため子どもにはすすめない、とも明記されています。
判断材料を隠さず出しているかどうかは、それだけで選ぶ理由になります。
まとめ
子どもの健康食品は、良いか悪いかの二択ではなく、順番で決めるものです。
1か月単位で食事を振り返り、それでも足りない部分があるのかを確認する。
次に、目安量も機能性表示も大人向けに作られていることを踏まえる。
そのうえで、原材料表示が短く、注意書きを隠さないものを選ぶ。
持病があってお薬を飲んでいるお子さんの場合は、自己判断せず、かかりつけの医師に相談してください。









