パワハラをはじめとして、ビジネスシーンでは多くのハラスメントが問題視されるようになりました。
これによって企業の体質改善を見込めますが、ネガティブな要因は組織にだけ存在するわけではありません。
従業員のなかにも、企業の足を引っ張るような困った行動をとる人物がいるのです。

一般的な社会人とは大きくかけ離れた行動基準を持つモンスター社員

そのような従業員はモンスター社員と呼ばれており、一般的な社会人とは大きくかけ離れた行動基準を持っています。
たとえば、テレワークが普及している昨今において、常識を無視した働き方をするケースが見受けられます。
いくら自宅勤務とはいえ、勤務時間中はあくまでも仕事をしていなければなりません。
ところが、オフィスにいないことを活かして、プライベートの活動を行ってしまう人もいます。
打ち合わせのために連絡をすると、「ショッピングにでかけているので無理」という返答をするといった具合です。
この人物のポイントは正直にそれを言ってしまうことであり、自分の行為が正しいものだと信じています。
テレワークをしている人は、多かれ少なかれプライベートの用事をした経験があるでしょう。
家では働いていて宅急便を受け取ったら、それだけでプライベートのために時間を使ったことになります。
これも厳密にはアウトであり、その数分を就業時間から引くのが正解です。

テレワークをただの自由な勤務だと勘違いしている

しかし、そこまで厳密に時間を管理している人は多くないでしょう。
管理する場合も、1日を見返してみてプライベートの時間をトータルで大まかに引くぐらいです。
つまり誰もが清いわけではありませんが、本人はそれを自覚しているので、プライベートの時間を最小限に留めようと努力します。
そして、それを他の従業員に明言したりもしないのが一般的です。
それに対して前述のモンスター社員は、このような分別を持っておらず、テレワークをただの自由な勤務だと勘違いしています。
もともとオフィスでろくに仕事をしておらず、さぼる癖がついていたことも推察できるでしょう。

自分の権利が侵害されたときだけ大きな声で主張する

他の特徴としては、自分の権利が侵害されたときだけ、大きな声で主張することが挙げられます。
手を抜きまくっているのに、給料の査定が下がると猛反発するケースが目立ちます。
会社にとっては不良債権そのものですが、ハラスメントで訴えられることを恐れる上司たちは、あまり強く注意できないのが実情です。
それを把握しているので、ますます図に乗ってあつかましい行動をとるようになります。
体罰を禁止されている先生をあざわらう問題児と変わりません。

仕事に前向きなモンスター社員もいる

モンスター社員にはいろいろなバリエーションがありますが、そのなかには仕事に前向きな人物も見受けられます。
そう言われると、企業にとってプラスになるのだから構わないと感じる人もいるでしょう。
本人がポジティブだからといって、その姿勢が企業に恩恵をもたらすとは限りません。
場合によっては甚大な被害につながるケースもあるので注意する必要があります。
たとえば、新人のモンスター社員によく見られるのは、プライドが高くて自信過剰なケースです。
近年は教育に力を入れる親が多く、何も苦労せずに名門の中高一貫を卒業する子どもも少なくありません。
親の財力のおかげであるにもかかわらず、自分のことを優れたエリートだと勘違いしてしまいます。
自分はどんな仕事でもできると勘違いして、自己紹介のときに的外れな有能さをアピールするのです。

失敗に終わっても決して自分の能力不足が原因だとは認めない

少しプログラミング言語を勉強しただけで、自分のことをプログラマーだというような人もいます。
ベテランでもきついプロジェクトを自分ならこなせると主張する人も見受けられます。
もちろん、まともな役割を果たせるわけもなく、安心して任せてしまうと痛い目を見ることになるでしょう。
そして失敗に終わったとしても、決して自分の能力不足が原因だとは認めません。
周囲のせいにした挙句、このような会社にいられないと言って、早々に辞めてしまう事例もよくあります。
このような事態になると、また時間と費用を使って、新たに採用活動をスタートすることになるです。
それは企業にとって大きなダメージであり、プロジェクトの頓挫につながるような可能性もあるでしょう。

まとめ

したがって、企業側は採用する時点で、モンスター社員になるリスクがどれくらいあるのか見極めることが大切です。
少しでもその素質があると感じたら、他に魅力的な点があっても切り捨てることがポイントになります。
もちろん、単純に個性的という理由だけでそうする必要はありません。
働くシーンを想像して、不協和音をもたらすような可能性を感じた場合にそうしましょう。
面接でのアピールに裏付けが見えないような場合は要注意です。
履歴書をチェックしたときに、不自然さを感じたら面接で綿密に確認したほうが良いでしょう。
ウイルスのようなものであり、いったん企業に入り込ませると、しつこくダメージを与えられることになります。
周囲の従業員も拡大していくケースがあるので最大級の警戒が必須です。

参考文献/モンスター社員 特徴